脳損傷(脳障害)からの生還②
ごめんね、という代わりに「ありがとう」
前回の続きです。
少しずつ更新していきます。
昏睡2ヶ月になろうとして、あたしに反応が戻ってきた。
_____________
意識を戻したけど、状況が分からないし、話しかけられても言葉の意味も分からない。
その後2ヶ月くらい人工呼吸に頼ったけど、少しずつ感覚が戻ってきた。
しかし、自力でベッドから体を起こすことすら出来ない。
何をするにも人の助けがないと出来ない。
言語障害・高次脳機能障害・記憶障害などで、殆ど会話が出来なかった。
だけど、ちゃんと感情はあって、申し訳ないという気持ちで一杯だった。
それで、ちゃんとした発音は出来ないけど、「ごめんね」という言葉とジェスチャーで表現した。
しばらくしてあたしは考えた。
1日何回、「ごめんね」って言ってるだろうか?
何をしてもらうにも「ごめんね」…
あたしの口癖のようになっていた。
これを周りの人達は、どう思うだろうか?
「ごめんね」と言うと「そんなこと言わなくていいから」と。
お互いに気持ちがマイナスの方向に向かうよね。
それで、あたしは気づいた。
申し訳ないという気持ちは常にあるけど、
その気持ちをプラスの言葉で表現しようと。
あたしは「ごめんね」を封印した。
代わりに「ありがとう」